分析化学
Print ISSN : 0525-1931
ジギトキシゲニンビスジギトキソシドのラジオイムノアッセイに用いる抗血清の調製
藤井 洋一藤井 正浩池田 ゆかり森田 真由美山崎 満
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1995 年 44 巻 10 号 p. 859-864

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抄録

ジギトキシゲニンビスジギトキソシドをピリジン中無水コハク酸で処理し,次いで炭酸水素ナトリウムを用いる末端糖エステルの選択的加水分解により3'-ヘミサクシネートとした.これをp-ニトロフェニルエステルに誘導した後,ウシ血清アルブミンと結合させて抗原とし,ウサギに免疫して抗血清を得た.ジギトキシゲニンビスジギトキソシド3'-ヘミサクシネートの3H-ロイシン結合体を標識抗原に用い,デキストラン炭末法によりB/F分離を行った.抗血清の抗体価は23000倍で,0.05~5ngの範囲で定量可能であった.抗血清はジギトキシン(50.4%),ジギトキシゲニンモノジギトキソシド(29.3%),ジヒドロジギトキシン(10.3%)とは高い交差反応性を示したが,ジギトキシゲニン,ジゴキシゲニンビスジギトキソシドなど他の近縁化合物とは2%以下の交差率であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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