分析化学
Print ISSN : 0525-1931
カーボン充てんカラムを用いるイオンクロマトグラフィーによるアルカリ金属イオンの定量
岡本 利光高山 和男池田 勝長島 潜
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1998 年 47 巻 7 号 p. 389-395

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抄録

高温で焼成された炭素材料で,新規充てん剤の一つであるカーボン充てんカラムをアルカリ金属イオンの定量に応用した.種々のイオン相互作用試薬と溶離剤として硝酸を組み合わせた移動相を用い,5種アルカリ金属イオン(Li+,Na+,K+,Rb+及びCs+)の溶離挙動を調べた.移動相の組成,流量及びカラム温度の検討により,5種アルカリ金属イオンをいずれも理論段数4500段以上でピークの対称性も良好なクロマトグラムを得ることができた.各イオンの検量線は相関係数0.999以上,繰り返し注入による相対標準偏差は0.5~0.9%(n=10)であった.この方法を医薬品中のナトリウム及びカリウムの定量に応用した結果,組成式から求めた理論値に対して許容誤差0.3%以内と良好な値を示した.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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