分析化学
Print ISSN : 0525-1931
Lunge窒素計法における発生気体の組成について
硝酸または硝酸繊維中窒素定量法研究(第3報)
村上 徹朗
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1958 年 7 巻 11 号 p. 685-690

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抄録

Lunge窒素計ガスを液体酸素で冷却凝縮させ,不凝縮部を分け,残者を-130℃で蒸発させ中間部を得,さらに残留物を凝縮部とし3部に分けた.この3部を質量分析してLmge窒素計ガスの組成を求めた.炭酸ガス量は窒素計使用硫酸94.5,98%とも同じで重量分析値によく一致した.一酸化炭素量は使用硫酸が98%になると繊維素の分解がおこるためかいちじるしく増加した.ガス中の窒素は使用硫酸が94.5,98%ともそのN2/Ar比が硫酸中の溶存ガスのN2/Arの44に一致し,窒素量は溶存窒素が放出されたものとした値に一致した.よってLunge窒素計ガス中の窒素は副反応による生成物でないことが明らかになった.亜酸化窒素が確認され,これが還元時の副反応生成物で0.22%であったが使用硫酸が98%になると0.4%.に増加した.試料が硝酸カリウムのときは発生ガス中に炭酸ガス,一酸化炭素がないという差があった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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