分析化学
Print ISSN : 0525-1931
電融耐火物 (コルハート・ザック) の定量分光分析
珪酸塩の定量分光分析法に関する研究 (第4報)
松本 忠恕松田 文男
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1958 年 7 巻 12 号 p. 751-757

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抄録

従来電融耐火物などの分析には化学分析が用いられてきたが, これらの分析としての化学分析法は時間と非常な熟練を要する.筆者らはカントメーターを用い, ブリケット電極による発光分光分析法を試みた.
予備実験として電極成型時の諸条件の変化による輝線強度ならびに強度比の異常性の有無について検討した.標準試料系列には米国コルハート社製コルハート・ザックを分析対象として, これに類似の標準試料系列を合成して化学分析によって標準分析値を決定した.
標準試料系列の作成には標準試料を電気炉中で無水硼酸と炭酸リチウムで熔解し, 硝子化した試料を粉砕し, 黒鉛粉末と混合してbriquetting pressを用いて, 直径1/2inに圧縮成型したブリケット電極を作成した.また別に未知試料について同様な処理を行ったブリケット電極とを作成した.このようにして得た両者の電極をカントメーターを用いて放電, スペクトル測光によって比較して各元素の分析値を求めた.
次に発光条件としてはC=2μF, R=0.4ohm, L=50mHのオッシレイティングな条件を採用した.
本法によって分析した成分はSiO2, Al2O3, ZrO2, Fe2O3, TiO2, Na2Oであり, 分析精度は±2~5%であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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