1958 年 7 巻 12 号 p. 771-775
植物体に含まれる無機成分中の非金属元素の迅速分析法を検討した.この方法では植物試料をアルカリ性で分解して試料溶液を調製し, その溶液につき各元素を光電比色計を用いて定量する.従って本法の精度は重量法と容量法を基本とした標準分析法すなわち米国のA.O.A.C.法などに比して劣り, 分析値の有効数字は2桁程度である.しかしながら本法によれば分析試料は1gで足り, 標準法の場合の1/10以下となる.また分析操作はきわめて簡易で迅速に行われるから分析の所要時間や経費も標準法に比し大巾に軽減される.