1958 年 7 巻 12 号 p. 766-771
硝酸または硝酸塩試料 (Nとして1.5~20mg) に0.2N塩化第一スズ溶液を加え, さらに塩酸を加えて7N塩酸酸性とし, 不活性気流中で15分間ゆるく沸騰させて硝酸根を還元した.残留する塩化第一スズを熱いうちに0.2N塩化第二鉄標準液で滴定し硝酸根を定量したが, 本法の所要時間は約25分であった.本法の還元反応で硝酸根はヒドロキシルアミンまで還元されることがわかった.
本法を硝酸および硫硝混酸中の硝酸定量に応用し, 前者は中和滴定法, 後者はLunge窒素計法に一致する値を得た.しかし硫硝混酸の廃酸に応用するときは過酸化窒素含有量を別に求めて補正せねばならない.