1958 年 7 巻 3 号 p. 147-151
p-ジメチルアミノベンザルロダニンのアルコール溶液を用いて金の比色定量を行った.そしてこの金-ロダニン化合物の赤色の比色の場合の酸の濃度,フィルターの波長,および安定度について検討した.その結果塩酸濃度は液量100ccについて塩酸(1:20)3~8ccがよく,フィルターは562mμのものを用いたとき最も鋭敏であり,また金塩溶液に試薬を加えて後5~30分間は安定で,これらの条件においてBeerの法則に従った.つぎにこの比色におよぼす共存元素の影響を検討し,陰蔽剤を用いて,それらの影響を除去することができた.すなわち,鉄はメタリン酸ナトリウムを用いて300mg,銀は塩化ナトリウムを用いて0.2mg以下の共存であれば全く影響が認められなかった.