分析化学
Print ISSN : 0525-1931
植物体灰分中の鉄,亞鉛およびマンガンのポーラログラフ同時定量における抽出法の応用
生物体中の痕跡元素の分析法に関する研究(第13報)
山本 勝巳
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1958 年 7 巻 6 号 p. 343-346

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抄録

植物体灰分中に存在する微量の鉄,亜鉛,マンガンおよびもし存在すれば銅の,ポーラログラフ法による同時定量に際して,それらの元素を分離,濃縮する目的で抽出法を応用した.
酸性度を調整した試料溶液中の鉄およびもし存在すれば銅を,クペロン-クロロホルムにより抽出,分離する.ついで水溶液層に酒石酸およびアンモニアを加えてpH=5.6としジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム-クロロホルムを用いて,亜鉛およびマンガンを抽出,分離する.それぞれ硫酸および硝酸を用いて,有機物破壊後,塩化物として蒸発乾固する.
鉄およびもし存在すれば銅の部は塩酸にて溶出し一定容としたのち,EDTA-NaOAC基礎液でpH=6.2において定量する.亜鉛およびマンガン部は水を加えSO2ガスを通じて溶出し一定容としたのち,塩化リチウムおよび水酸化リチウムを用いてpH=6.2となし定量する.
本法をドクダミ,ゲンノシヨウコおよびオホバコの灰分について行い鉄,亜鉛およびマンガンの含量を求めた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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