分析化学
Print ISSN : 0525-1931
2-(2-ヒドロキシ-5-メトキシフェニルアゾ)-4-メチルチアゾールによる銅の定量
分析試薬としての2-(2-ヒドロキシ-5-メトキシフェニルアゾ)-4-メチルチアゾールの研究(第2報)
柳原 正俣野 宣久川瀬 晃
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1958 年 7 巻 8 号 p. 500-505

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抄録
2-(2-ヒドロキシ-5-メトキシフェニルアゾ)-4-メチルチアゾールは銅イオンと反応して緑色水溶性のキレート化合物および水に不溶性でインアミルアルコールなどの有機溶媒に可溶性の青色キレート化合、物を生成する.
緑色キレート化合物はpHの低いとき,または銅濃度の高いところで生成しその水溶液は425および634mμに極大吸収を有し銅に対し試薬は1:1の結合比をもっている.pH約5においては安定で634mμの吸収帯を用いて感度0.003γ/cm3で光度定量が行える.キレート生成定数は大約9.8でEDTA滴定の際,銅の金属指示薬として使用できる.
青色キレート化合物はpHの高いとき,銅濃度の低いときに生じそのインアミルアルコール溶液は419および626mμにそれぞれ趣大吸収を有し,銅に対し試薬は1:2の割合で結合している.これはpH8附近ではインアミルアルコールに安全にキレート化合物として抽出され,緑色キレート化合物の場合よりさらに微量の銅を感度0.0019γ/cm3で光度定量できる.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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