抄録
バナドモリブデン酸法により,肥料中のリン酸を比色定量する際の,発色試薬の組成ならびに濃度と吸光度の関係について基礎的な研究を行った.リン酸-アンモニウムを水に溶解して調製したP20510~100ppm溶液にメタバナジン酸アンモニウムおよびモリブデン酸アンモニウムの各種組成の発色試薬を加え,分光光度計にて400および420mμの波長を用いて示差法により吸光度を測定した結果,(1)発色液を完全に発色させるためには,リン酸濃度の低いほどまた硝酸濃度の高いほど,リン酸に対するモリブデンの割合を多くせねばならない.(2)発色液にクエン酸が存在するとさらにモリブデン酸塩を多く必要とすることがわかった.