分析化学
Print ISSN : 0525-1931
高チタンスラッグ中のチタンの迅速定量法
小野 主嘉鋒山 栄一岩松 大幹
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1959 年 8 巻 12 号 p. 796-800

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抄録

チタンスラッグ中のチタンの迅速定量法として金属アルミニウムで還元し,塩化第二鉄塩溶液で滴定する方法について検討した.その結果チタンの塩酸溶液を塩酸濃度3~4Nとし,液温約80℃であるならばTiO2 180mg程度までは金属アルミニウム約1gで不活性ガスを用いることなく完全にチタン(III)に還元される.かつ還元器にブンゼンバルブ付フラスコを用いるならば,還元後のチタン溶液(III)は50℃以下においてはすこぶる安定であって,不活性ガスを用いることなく正確に滴定できる.この方法において,Cr,V,Snの存在は定量に影響するが,実験によればCr O.5%, V 0.25%, Sn 2.5%以下はその影響は無視できる.本法をチタンスラッグ中のチタンの定量に適用した結果その所要時間は試料1コにつき24分でTiO280~90%のもので標準偏差±0.2%,変動係数±0.3~0.4%であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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