1960 年 9 巻 12 号 p. 987-989
塩素イオンおよび臭素イオンの定量にしばしば利用されるVolhardの余剰滴定は,微量滴定法としては当量点における変色が緩徐で個人差の入りやすい方法であるが,残余の銀イオンの滴定にヨウ素添加ヨウ化カリウム規定液を用いると,当量点でヨウ素デンプンの鋭敏な発色を示すので再現性のよい滴定値を得ることができる.沈殿を有機溶媒で包絡するため従来ニトロベンゼンが賞用されているが,本法では滴定値に妨害的影響をあたえるので検討の結果,モノクロルベンゼンが適当であった.