分析化学
Print ISSN : 0525-1931
メチルイソブチルケトン抽出,チオシアン発色によるスズ基バビットメタル中の鉄の定量方法
溶媒抽出法の工業分析への応用(第1報)
田島 信雄黒部 森司
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1960 年 9 巻 5 号 p. 399-402

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抄録

メチルイソブチルケトン(MIBK)による抽出分離およびFeNCSの抽出によってスズ地金およびスズ基バビットメタル中の0.02~0.1%の鉄の定量をおこなった.すなわち試料を王水に溶解し,これを100mlにうすめる.その一定量を分取し,6N塩酸酸性として鉄をチオ硫酸ナトリウムを用いて還元し,MIBKを用いてスズ,アンチモンなどを抽出分離する.そののち水溶液層に過酸化水素を加え鉄を酸化し,ふたたびMIBK抽出をおこなつて鉄を抽出する.ついで溶媒層にチオシアン酸アンモニウム溶液を加え振盪して鉄を発色せしめ490mμにおける吸光度を測定する.本定量法は従来おこなわれている臭化物としてスズを揮散分離する方法に比し操作も簡単であり約30分程度で鉄の定量が可能である.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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