分析化学
Print ISSN : 0525-1931
イオン交換樹脂を用いる銅中の微量の金の分離定量
平野 四蔵水池 敦飯田 芳男
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1960 年 9 巻 5 号 p. 423-426

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抄録

銅地金または粗銅中の微量の金をイオン交換樹脂を用いて簡単に分離定量する方法について研究した.試料を硝酸および塩酸にて溶解しCl濃度を約2Nに調節したのち小形の強塩基性陰イオン交換樹脂柱に通じ金を吸着,銅を素通りさせて大量の銅から金を分離したのち樹脂をアルミナ製ルツボ中で加熱灰化し,これを王水に溶解後p-ジメチルアミノベンジリデンローダニン法によって比色定量した.放射性トレーサー198Auによる陰イオン交換樹脂への金の吸着状態の検討,回収率の測定,および合成試料・粗銅試料の分析結果,他法による結果との比較などから本方法が銅中に存在する0.5~100ppm程度の金の分離定量法として満足すべきものであることを見出した.本方法の分析誤差は5~10%,分析所要時間は2~3時間であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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