2011 年 66 巻 7 号 p. 524-528
計算科学研究機構は,京速コンピュータ「京」の運用機能と計算科学技術の研究開発機能を持つ組織である.「京」の幅広い分野での利用を促進することによって,先進的な研究成果の創出,社会や生活の変革につながるブレークスルーを目指している.来年秋の共用開始に向けて,システムの整備も順調に進んでいる.重点もシステムの開発整備から,京を利用してすぐれた成果をあげるという新しい局面に移りつつある.スパコンは現代の科学・技術の発展にとっては不可欠である.京コンピュータは予測能力を飛躍的に拡大し,シミュレーションの質を抜本的に変える可能性を秘めている.世界をリードする研究成果をあげ,新しい知の体系を構築したいものである.