日本物理学会誌
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気体放電における原子分子素過程
高柳 和夫
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1973 年 28 巻 9 号 p. 734-744

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抄録

気体中で相対した2個の電極の間に電圧をかけ, それを次第に高めていくと, やがて気体は絶縁性を失って放電がはじまる. このような気体放電は, 電場によって加速された荷電粒子, 2次的に作られた励起原子分子, それに光子などの関与するさまざまな原子分子素家庭の集積であると見ることができる. だから気体放電の現象を理解するには, それぞれの素過程についての詳しい知識が必要だが, 現在その知識は十分とは言えないし, すでにえられている知識さえ十分生かされているとは言えない. ここではこの種の問題で重要と思われる素過程のうち, 電離および再結合に関するものをとりあげ, それらについてどの程度のことがわかっているかを概観する.

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