日本物理学会誌
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地下深部における宇宙線研究
三宅 三郎
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1979 年 34 巻 4 号 p. 292-301

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抄録

宇宙線を用いた超高エネルギー素粒子物理の研究は地球上の有利な条件を利用して行われる. ここでは, 大気をレプトン(ミュー中間子やニュートリノ)の発生層として, 地殻を吸収層として用いた地下宇宙線観測について述べる. 場所は世界一深いといわれるインドのコラー金鉱で, 実距離約3000m, 水深相当で9000m位迄が利用できる. 地下深部では, 地熱による高温と, 地殻の圧力による崩壊の危険とで, 必ずしも快適な実験とはいえないが, 最初の観測を開始して既に18年が経過したので, その概要を振返って見よう.

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