日本物理学会誌
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量子色力学 : 漸近自由性(<特集>統一理論とその周辺)
牟田 泰三
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1980 年 35 巻 1 号 p. 23-28

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抄録
深非弾性散乱実験の結果を解釈すると, クォークは接近すると相互作用が弱くなるという"漸近自由性"を持つことがわかった. クォークの世界を記述する量子色力学はこの性質を持ち, このため近距離現象に対して摂動計算ができる. 最近の計算技術の革新に伴って, 量子色力学の現象論的応用範囲は格段に広がった. 本稿では, 量子色力学にもとづく摂動計算の処方を説明し, どんな現象が予言でき, どの程度の実験的支持が得られているか, について解説する.
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