日本物理学会誌
Online ISSN : 2423-8872
Print ISSN : 0029-0181
ISSN-L : 0029-0181
宇宙線の起源をめぐって
桜井 邦朋
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 39 巻 5 号 p. 346-354

詳細
抄録

宇宙線の化学組成, エネルギー・スペクトル, 空間分布と異方性, 同位体比などに関する詳細な観測結果の蓄積により, 宇宙線が誕生する場所や加速過程について最近具体的な推定ができるようになってきた. また, 高エネルギー宇宙物理学の進展は, 宇宙線の銀河系空間における挙動や分布, 或は, 高エネルギー現象との関連についても新しい描像をもたらしつつある. 特に, 宇宙線が超新星起源かどうかが現在大きな話題となっている. ここでは, 宇宙線に関する種々の観測結果についてまず解説し, 宇宙線の超新星起源をめぐる話題にふれながら, 終りに, 宇宙線研究の今後の方向を展望する.

著者関連情報
© 社団法人 日本物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top