2003 年 58 巻 5 号 p. 343-348
2002年1月から実験を開始した1,000トン液体シンチレータ・反ニュートリノ検出器(KamLAND)は順調に稼動し,主に神岡周辺の原子力発電所(平均距離180km)から飛来する原子炉反電子ニュートリノの測定を継続した.そして,3月3日から10月6日までのデータを用いた解析によって,エネルギー3.4MeV以上の原子炉反電子ニュートリノ検出数と予測数の比:0.611±0.085(統計誤差)±0.041(系統誤差)が得られた.この解析結果は,99.95%の信頼度で原子炉反電子ニュートリノが走行中に消失したことを示すものである.