日本物理学会誌
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ニュートリノ振動の現象論(<特集>ニュートリノの物理-小柴昌俊氏のノーベル物理学賞受賞を記念して-)
安田 修
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2003 年 58 巻 5 号 p. 349-355

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抄録

最近のさまざまなニュートリノ振動実験の結果によって,ニュートリノ振動の混合行列と質量自乗差がかなりわかってきた.その結果は,現在までに知られている3種類のニュートリノ間の混合で良く記述されている.ここでは3種類ニュートリノ混合の混合行列を導出する道筋を紹介し,ロスアラモスのLSNDの実験結果を説明するのに必要な不活性ニュートリノを含む4種類のニュートリノ混合シナリオの現状について述べ,さらに現在精力的に研究されている長基線実験における現象論,特に3種類混合の枠組で未定の第三番目の混合角,大気ニュートリノ振動の質量自乗差の符号,CP非保存位相の決定について説明したい.

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