日本物理学会誌
Online ISSN : 2423-8872
Print ISSN : 0029-0181
ISSN-L : 0029-0181
ナノ構造のコンダクタンスの理論
塚田 捷広瀬 賢二小林 伸彦田上 勝規
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 59 巻 7 号 p. 452-459

詳細
抄録

ナノスケールの電極を架橋する原子細線や分子の架橋系は,個々の分子を利用する分子エレクトロニクスの基本的な構成単位である.このような系を解析するための理論的方法論の最近の発展を,量子輸送現象を中心に述べる.原子細線では量子化伝導現象の機構,形状依存性,バイアス分布,固有チャンネルなどについて,分子架橋系ではフェナレニル,テープポルフィリン,フラーレンを例にして,透過スペクトルにおける電極との接続構造の影響,内部ループ電流などの話題を紹介する.また,関連する実験研究の現状とこれからの問題点を議論する.

著者関連情報
© 社団法人 日本物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top