抄録
千葉県に適した花粉の少ないヒノキを選抜するため,ヒノキ採種園に植栽されている精英樹24クローンの雄花着花性を13年間調査した.1. ヒノキ雄花の着花性は年次変動が大きく,13年間のうち豊作年が6か年,凶作年が5か年であった.また,雄花着花性には調査年及びクローンにより違いがあることが明らかになった.2. 雄花着花性の広義の遺伝率は,豊作年で平均34.6%,凶作年で平均16.7%と,豊作年の方が雄花着花の遺伝的な発現が高かった. 3. 豊作であった6か年の平均着花指数が最も低かった「鬼泪4号」を基準とし,これと豊作年の着花指数に有意差が認められなかった,「鬼泪4号」,「新城2号」,「札郷2号」,「丹沢7号」,「秋元1号」の計5クローンを千葉県に適した花粉の少ないヒノキとして選抜した.