抄録
千葉県農林総合研究センターにおいて,これまでに育成した15品種と保存されている代表的な品種25品種について,5年間にわたり,生育,収量特性,病害の発生程度を調査した.1. 生育特性について,主茎着花性の品種は祖先にスパニッシュタイプを含む品種で,早期に開花し,落葉が早く,総分枝数が少ないことが確認された.幼芽褐変症については,大粒種において発生が多く見られ,大粒種の中でも特に「タチマサリ」,「ワセダイリュウ」,「ユデラッカ」,「おおまさり」,「ナカテユタカ」といった亜種間交雑によって育成された品種の発生率が高かった.2. 病害抵抗性について,褐斑病の発病度は早生性との関連性が示唆された.白絹病は「サヤカ」及び「バレンシア」で発生が多く,白絹病の抵抗性に品種間差があると推測された.3. 収量特性について,上実重は亜種間交雑によって育成された品種が高い傾向にあり,祖先に「334A」を持つ品種が特に高かった.このことから,「334A」が多収性を求める上で,優良な育種母本であり,バージニアタイプの大粒性と「334A」の持つ連続結果枝性や細い分枝性を兼ね備えたことが,多収化における重要な要因であると考えられた.