抄録
千葉県東総地域で一般的な秋どりダイコンと春どりキャベツの輪作体系で,土壌の肥沃度を高めるための有機物の施用効果,肥沃化した後の肥培管理のあり方を明らかにするため,牛ふん堆肥を6年にわたり連用した.その結果,秋どりダイコンに以下の知見が得られたので報告する.1. ダイコンの生育は,堆肥を3t/10a,6t/10aと増やすほど初期生育が早く,収穫時の葉重及び根重が重くなった.2. 堆肥を3t/10a,6t/10aと増やすほど葉及び根の乾物率が低下し,全窒素,全加里濃度が高まった.3. ダイコン栽培終了後の土壌は,堆肥3t/10a及び6t/10aの施用で全炭素及び全窒素含量が高くなり,交換性塩基類も増加した.硝酸態窒素は地表下75~90cmの層まで移行し,移行した量は堆肥の施用量に比例して多く,6t/10aでは8.1mg/100g,3t/10aでは5.0mg/100gとなった.可給態リン酸及び交換性石灰は0~30cmの層で多く,30cm以下の層への移行は少なかった.交換性加里含量は堆肥の施用量が多いほど,75~90cmの層に多く移行した.4. ダイコンの葉部と根部の全加里濃度と全Na濃度に負の相関がみられた.土壌の交換性加里含量と葉及び根の全加里濃度に高い相関が認められた.5. 以上から牛ふん堆肥の連用による圃場の肥沃化に応じて堆肥及び化成肥料の施用量を減じる必要性が認められた.