千葉県農林総合研究センター研究報告
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千葉県の茶樹及び茶園土壌における放射性セシウム濃度及び存在量の経年変化とその要因
赤山 喜一郎原田 浩司廣野 祐平谷口 克彦久保田 祥子山本 幸洋真行寺 孝
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2016 年 2016 巻 8 号 p. 69-79

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抄録
中切りの低減対策を実施した茶園及び放任管理の茶園において,2011~2014年度の茶樹及び土壌の放射性セシウム濃度及び存在量の変化を明らかにし,低減対策,摘採,管理作業等が樹体の放射性セシウムの低減に与える影響を検討した.1.低減対策を実施した茶樹及び放任樹ともに,整枝部,葉層,その他地上部及び地下部の放射性セシウム濃度は年々減少し,2014年の137Cs濃度は2011年を100とした時,地上部各部位では2~18に,地下部では27~59に低下した.同様に,2014年の137Cs存在量は地上部各部位では2~41に,地下部では38~73に減少した.また,荒茶の放射性セシウム濃度は2011年一番茶を100とした時,4年間で0.2~1.2に減少した.2.茶樹部位別の137Cs濃度の差は年々小さくなり,存在量は容積,重量の大きいその他地上部及び地下部が他の部位に比べて相対的に多くなった.3.樹冠下の有機物層の137Cs濃度は深さ0~5cmの土壌に比べ,2012~2014年の3年間を通じて1.4~23.8倍と高かった.3年間で137Cs濃度は有機物層では概ね低下傾向にあるのに対し,樹冠下の深さ0~5cmの土壌では上昇傾向にあり,深さ5~25cmではほとんど変化はなかった.137Cs存在量もほぼ同様な傾向にあった.有機物層に含まれる放射性セシウムが,直下の土壌へと徐々に移動する傾向が示された.4.茶樹における放射性セシウムの低減に及ぼす影響は,中切りによる低減対策及び落葉や枯死枝等の自然脱落が最も大きく,次いでせん枝等の管理作業,降下した年の摘採の順で大きいことが推察された.
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© 2016 千葉県農林総合研究センター
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