脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
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シンポジウム8 生活習慣病と脳卒中・認知症
歯周病患者は脳卒中になりやすい?
細見 直永松本 昌泰
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2015 年 26 巻 2 号 p. 125-128

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抄録

要旨 アテローム動脈硬化病巣においてPCR により歯周病菌の存在が示されており,歯周病菌感染症がアテローム動脈硬化に関与していることが示唆されている.歯周病と脳卒中との関連に関して,歯周炎による脳卒中の発症への影響が報告されている.脳梗塞患者の病型別における各種歯周病菌の血清中抗体価の検討により,歯周病菌の一つであるprevotella intermedia に対する抗体価がアテローム血栓性脳梗塞において高値を示しており,頸動脈のアテローム動脈硬化病変との関連性が示唆された.また異なる歯周病菌であるporphyromonas gingivalis に対する抗体価の上昇により心房細動との関連性が示唆され,異なる歯周病菌の影響により,機序の異なる脳梗塞が発症する可能性を示した.このように,脳梗塞の新たな危険因子として歯周病の関与を解明することにより,脳梗塞の発症抑制法として新たに歯周病対策を考慮する必要性が示唆されるが,歯周病対策による脳卒中発症予防効果はまだ明らかになっていない.

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© 2015 日本脳循環代謝学会
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