2015 年 26 巻 2 号 p. 193-195
要旨 脳血管内治療はその低侵襲性とディバイスの進歩により治療適応が拡大の一途をたどっている.脳血管内治療が標的とする脳血管は,脳組織の血液循環を司る「パイプ」としての機能的役割と,それ自身が増殖,リモデリング,退縮を繰り返す血管組織という両面を併せ持つ.したがって,脳血管内治療の適応や成績は脳血管画像だけで語られるべきでなく,疾病に暴露された脳組織あるいは標的血管組織の循環代謝や組織構築の変化を考慮に入れるべきである.本稿では,脳血管内治療における脳循環代謝研究の現状と今後の展望について,自験例を踏まえて論じる.