抄録
遺伝子ネットワークのS-systemモデルを同定するための方法として問題分割法が提案されている。この手法はN遺伝子からなるネットワークの同定問題を、N個の2(N+1)次元の部分問題として定式化する。この手法により数十遺伝子からなるネットワークのS-systemモデル同定が可能になってきたが、その計算コストは依然として高い。そこで本研究では各部分問題をさらに(N+2)次元と(N+1)次元の2つの問題に分割する方法を提案する。そのために本研究では、線形計画マシンを用いた遺伝子ネットワーク同定法を利用する。次に本研究では,分割した2つの問題を交互に解くことで、効率的にS-systemモデルを同定するための新たな方法を提案する。数値実験により、提案手法の計算時間が従来手法の計算時間の三分の一以下となることを示す。最後に、提案手法を用いてE.coliのDNA修復系に関する実データを解析する。