2017 年 17 巻 p. 112-124
アルツハイマー病 (AD) およびパーキンソン病 (PD) は罹患者数の多い神経変性疾患であり、その早期診断及び治療法の開発や重要な課題である。SPECT (single photon emission computed tomography) は放射性トレーサーを用いて局所脳血流を可視化する事でADやPDの診断に利用される。そこで診断支援を目指して局所脳血流画像を基にサポートベクターマシンを用いてADとPDの分類を行うモデルの構築を試みた。対象は診断のため脳SPECT撮像が必要となり、その後AD又はPDと診断された68例 (AD: 24例、PD: 44例) である。それぞれの被験者について123I-IMP投与30分及び3時間後に撮像された2種類の脳SPECT画像を解析データとした。まず画像に対し片側t検定によりp値が0.01以下のボクセルを抽出し、それらを脳葉ごとにグループ化した。次にグループ化されたボクセルに対し変数増加法を実施し、分類に重要な脳部位を探索した。分類にはサポートベクターマシンを用いた。その結果、変数増加法により選択されたモデルの正答率はトレーニングセット98.1%、テストセット78.6 %であった。初期部位にはFrontal lobeが選択され、早期像と後期像の両方を含む合計13部位がモデル構築に用いられた。選択された部位はADまたはPDで血流低下が報告されている部位と概ね一致していた。これらの結果よりADとPDの分類に際して早期像に加えて後期像を用いることにより分類精度が向上する可能性が示唆された。