Chem-Bio Informatics Journal
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大腸菌のFlavodoxin reductaseの立体構造的進化の解析
大福 裕子田中 秀夫上林 正巳
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2002 年 2 巻 4 号 p. 137-146

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抄録

X線結晶構造解析により立体構造が決定され、その立体構造がマルチドメインから構成されるEscherichia coli由来のFlavodoxin reductaseの塩基配列をMarkov modelを用いて解析したところ、この遺伝子は7つの領域 (I-?) にわけることができ、CATH で分類された立体構造上のドメインと対応していた。さらに、CATHのドメインとX線結晶構造解析により同定されたドメインは一致している。各領域の塩基配列を用いて, DDBJ ALL databaseに対してFASTA相同性検索を行った。Flavodoxin reductase のFADが結合するFADドメインに属する領域?+?はAzotobacter vinelanndii由来のNADPH:ferredoxin reductaseのFAD結合部位と相同性を示した。一方、Azotobacter   vinelanndii由来のNADPH:ferredoxin reductaseとEscherichia coli由来のFlavodoxin reductaseの立体構造のRMSDは1.49Åと、立体構造全体が非常によく似ている、アミノ酸配列では、そのN末端領域が、非常に相同性が高いと報告されている。このように、立体構造、アミノ酸配列及び分けられたDNA配列の3つの場合で、たんぱく質の部分によって得られる結果が異なっていることが明らかになった。NADP/NADPHが結合する領域であるNADPドメインに属する領域?は、Escherichia coli のplasmid pKM101由来の接合遺伝子と、領域?+VIは、Ralstonia sp.CH34のpMOL30由来のczcB 遺伝子及び領域?はStreptococcus pneumoniae のbacteriophage Cp-1由来のtailタンパク質と推定されたorf17と相同性を示した。NADPドメインはbacteriophage由来のtailタンパク質、プラスミド由来のカチオン排出遺伝子及び接合遺伝子が融合したものであると考えられる。またFADドメインを構成する領域に相同性を示したAzotobacter vinelanndiiのNADPH:ferredoxin reductase は、真正細菌のクロモソームにコードされている。NADPドメインを構成する領域に相同性を示した遺伝子は、プラスミドまたは真正細菌のファージにコードされている遺伝子であった。マルコフモデル及び立体構造から分けられるFlavodoxin reductaseの領域は、部品としての立体構造が記憶されている、他の生物種からの取り込まれたDNA配列から構成されていると考えた。

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2002 Chem-Bio Informatics Society
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