2004 年 4 巻 3 号 p. 110-120
高精度な膜タンパク質予測システムを開発するために、我々は立体構造またはトポロジーが知られている膜タンパク質の膜貫通へリックス付近の疎水性と両親媒性の分布を解析した。7残基の移動平均で、疎水性のピークが膜貫通へリックスの中心に、両親媒性のピークが疎水性のピークの終端に2つ存在することを見いだした。 これらのピークは疎水性ピーク中心からみて非対称であった。 この非対称な性質を考慮し、膜タンパク質予測システムSOSUI(Hirokawa and Mitaku, Bioinformatics, 1998)の改良を行った。 その結果、精度が原核生物のポジティブデータセットで98%、ネガティブデータセットで96%となった。 また、真核生物でも同様の精度を得ることができた。