抄録
磁性アタッチメントは日本磁気歯科学会が先導し改良・開発を行い,1992年に商品化され,2012年に日本の提案したISO 13017が国際標準規格として発行されるに至った.磁石の特性からなる幾つかの優れた特徴と有用性が多くの臨床家に認められ,急速に一般歯科治療に普及し,種々のアイテムも揃い始め適応範囲は非常に広いと考える.しかし,磁性アタッチメントの注意事項や特長を理解せずに失敗してしまうと,臨床で再び使用しなくなるのが現状である.もちろん使用するには困難な症例もあり,適応症例は選択する.今回は利用方法やその要点について,もう一度確認し,さらに今後の可能性についても提示したい.