近年、「ジオパーク」という言葉を頻繁に耳にする。公園や博物館などは、人間の歴史や文化の一部の象徴や結晶のようなものであると考えることができ、余裕がある生活を享受し、地球の歴史の一断面を意識しながら教育や観光に活用し地域振興を計ることを目指していると考えられる。編著者は従来、民俗学に関連した著作を刊行し続けており、この度、山陰海岸ジオパークに関わる地域に因む伝説とジオパークとの関連を考察した書物を出版した。評者は、鳥取県から福井県にかけての山陰海岸を過去に何度か見聞した経験がある。民俗学については全くの門外漢であるが、その内容の一部を要約・紹介しつつ批評を試みる。