高度経済成長期以降に都市周辺部に形成された住宅団地では、その後の急激な人口高齢化に関連する地域コミュニティの低下、空き家・空き地の増大などの課題が指摘されている。本稿では、全国の面積100ha以上の大規模住宅団地のうち1970年代までに入居開始の高経年住宅団地を対象として、年齢別人口構成についてクラスター分析により分類した。その結果、高齢人口が特化していない多様世代型団地を析出することができた。さらに、それぞれの多様世代型団地の開発と入居時期、生活利便性、交通機能などの特徴を考察した結果、開発の遅れなどにより一斉に入居することなく入居時期が分散すること、商業施設などの立地により生活利便性の高い地域で住宅需要が恒常的に高いこと、新たな鉄道の開通や駅の開設など交通インフラの充実により交通利便性の向上が図られていることなどの特徴が見いだされた。