循環制御
Print ISSN : 0389-1844
総 説
先天性心疾患の新生児心エコ
―水平断面連続スキャン法―
黒嵜 健一
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2020 年 41 巻 1 号 p. 28-37

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抄録

 新生児先天性心疾患の診断では、非侵襲的に繰り返し施行できる経胸壁心エコーが第一選択である。「水平断面連続スキャン法」は、体軸に直行する水平断面を上腹部胸骨下より胸骨上窩まで連続的にスキャンする方法で、心大血管構築異常の区分診断が得やすく、保存データからの診断再現性にも優れている。プローブ操作は容易だが、診断には知識と経験が必要である。  新生児心エコー検査では、心大血管構築異常を診断するとともに胎児循環から新生児循環への循環動態のダイナミックな変化を経時的に観察する。児の持つ心機能の範囲内で体循環と肺循環のバランスをとり、危機的な低酸素血症に陥ることなく生存に必要な体血流を保つ管理を考える。

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