抄録
敗血症性ショックの初期循環蘇生は、厳重な血行動態モニターと輸液・心血管作動薬の緻密な投与量調節が必要になる。集中治療医・コメディカルのチームがこれにあたるが、重症患者の循環管理は時間と労力の大きな負担となり、それは敗血症診療ガイドライン遵守率低下の一因にもなってきた。この問題を克服するべく、敗血症性ショックの初期循環蘇生を自動的に可能にする、敗血症性ショック循環管理システムを著者らは開発してきた。さらにこのシステムを用い、敗血症性ショックの初期循環蘇生におけるベータ遮断薬の投与が、血行動態や心筋酸素代謝等へ及ぼす影響を検討してきた。今回、これらの基礎開発とその意義について概説する。