抄録
近年、周術期における過剰輸液の危険性が広く認識されている。過剰輸液を避けるには、個々の患者の状態に応じた適切な輸液管理が不可欠であり、信頼性の高い輸液指標の活用が推奨される。特に高齢者やハイリスク症例の術後では血行動態が変動しやすく、輸液方針の決定にはより慎重な判断が求められる。mini fluid challenge は、急速輸液による一時的な前負荷増大に対する心ポンプ機能の変化を、輸液反応性として直接的に評価する手法である。患者の動脈圧波形情報を解析する血行動態モニタによって、簡便に行うことが可能である。今回、mini fluid challenge を行い、従来の動的指標の適用が困難な状況下で術後輸液管理を行った2 症例を経験したので報告する。