抄録
本研究はまず、二つの世界遺産を持ち、中国のほかの都市と比べいち早く観光開発が進んだ黄山市(地区級都市、日本の県に相当)を研究対象としてとりあげ、黄山市の観光と黄山の観光管理の現況を把握する。つぎに、地元行政と観光関連企業に対し観光開発に関する意識調査ならびにインターネットによる黄山への国内観光客調査を総合することにより観光供給側と観光ニーズ側双方の問題点を把握する。最後に、デマテル調査に基づいた観光開発における問題の構造化を行なうことにより、中国の地区級都市レベルにおける自然環境に配慮した山岳型観光の階層的な問題構造と開発体制を見出すものである。