抄録
本研究はパーマカルチャー理論をベースに, 植物を用いて生活排水等を浄化, 処理することが可能な植物浄化システムを建築環境の中に導入することを目的とした実証的研究である。研究の方法は, 「経堂の杜」の「立体ビオトープ型雨水循環システム」における水質の分析と評価を行った。その結果, 本システムを更に高度化すれば, 将来的に生活排水等を浄化, 処理することが可能な環境共生設備として位置付けることができると考えられる。今後の研究の課題は, 植物浄化システムの実験装置の開発と評価を行い, 建築物に持続的な生活環境を体系化するのと同時に, 食べ物の生産を可能とした「富める生態系」を創造するためのパーマカルチャー的デザインを建築学的に確立することである。