抄録
城郭の景観評価に際しては、首尾一貫性のないデータを扱わなければならない場合が多く、必ずしも客観的な評価が行われているとはいえない。また、天守閣の復元、堀·石垣の修復等、城郭の再利用にかかわる景観評価手法が現在のところ確立されているわけではない。そこで、本研究は、東北地方の近世城郭を対象に、AHP法を適用して城郭の景観評価の構造を明確にし、盛岡城天守閣復元後の城郭の景観評価を予測することを目的に行ったものである。その結果、作事と普請の重要度評価の割合を考慮した城郭の景観評価を予測することができた。