抄録
本研究では、日常的で持続可能な人間と自然との関係を探るため、自然体験の一つである「採取」に着目し、地方中小都市の「採取」の実態を明らかにすること等を目的とした。室蘭市の住民に対するアンケート調査の結果、多くの住民が採取を行えるような生活環境を望んでいること、採取を行っている住民は58%いること、採取場所には都市公園や山林を多く利用していること、採取には多くの効果が期待されていること、採取に対する認識が高い人は、身近な地域において緑化活動等を行っていること、採取を円滑に行うために情報や知識の提供を望んでいること等が把握された。以上を踏まえ、今後の採取を促すための環境づくりへの課題を整理した。