抄録
近年、種々の分野でQOL(Quality of Life)研究が徐々に増加している。環境政策も、最終的な目標は環境サイドからの人々のQOLの向上にあると考えられる。しかし、環境分野でのQOL研究は数少ない。そのため、「環境政策等による環境満足度の向上が個人や集団のQOLをどの程度向上させることが可能か」という問に対する基礎的な研究も我が国では殆どみられない。本論文は、この問に対する計量手法的な研究である。今回は、今後のグローバルスタンダード候補の一つであるWHOQOL26指標を適用した。これに、新たにウェイトを付加して、信頼性・妥当性の検証後、環境問題への手法的適用例を提示し、その特長を考察した。