抄録
都市レベルでの建設セクターのマテリアルフロー分析(MFA)を行うためには、基礎的なデータとして都市構造物の資材投入原単位や耐久・更新年数が必要となる。本研究では設計図面やヒアリング調査、GISデータを用いた詳細なMFAを行うため、資材投入原単位の整備を目的とした。推計対象とする都市構造物は、居住施設、交通施設、生活環境施設、国土保全施設を取りあげた。また、建築物を対象に、GISデータにもとづき、1995年から2000年の滅失建築物の属性を分析し、実際の耐久年数と既存研究の推計結果を比較する。本研究で推計した資材投入原単位を使い、実際の耐久年数を推計した。都市(北九州市)へMFAの適用を行い、建設セクターのマテリアルストックは、85トン/人となることが明らかになった。