本研究では、パソコンのエネルギー消費効率の定義について、エネルギー消費実態調査結果をもとに検討した。その結果、電力消費量の95%以上は計算量と無関係であり、エネルギー消費効率の定義としては省エネルギー法における定義(平均消費電力÷理論性能)よりも年間電力消費量の方が妥当であること、年間電力消費量は動作モード別の消費電力と平均的な使用パターンで定義するべきこと、アイドル時消費電力はエネルギー消費効率の簡易的な定義となり得ることが分かった。一方、パソコンの性能は一義的に定義できず、電力消費量との相関は殆ど無いため、性能の異なる機種間の公平性を確保したエネルギー消費効率基準値の設定は困難と分かった。