本研究では、多摩森林科学園内の混交林を対象に、季節的に時系列に撮影したカラー航空写真から作成した航空オルソ画像と落葉期間に取得した航空機搭載型レーザスキャナデータに基づく時系列な樹冠高データを併用し、樹葉の葉色変化と落葉推移パターン、さらには階層構造から構成樹種の区分を試みた。さらに、従来からの手法である目視判読による区分結果と比較照合し、本手法の適用性を検討した。その結果、本手法は葉色変化の大きいスダジイ、ケヤキ、コナラ、スギなどの抽出に有用であった。また、ケヤキやコナラなどの紅葉(黄葉)時期が異なる樹種の区分には極めて有用であるとともに、その階層構造を面的に把握することが可能であった。