p. 65-70
都市住民の活動範囲が広域化しており、加えて主要な生態系の保全が重要視されている現在では、緑の分布を都市といった枠組みの中だけでなく、広い範囲から検討していく必要がある。本研究では、緑のネットワークを構成する植生軸に着目し、Landsat ETM+データから算出したNDVIを植生の存在量を表すデータとして採用した上で、空間的自己相関分析を応用した植生分布の分析方法を開発した。空間的自己相関の計算範囲に注目した上で、近傍から遠方の範囲にわたって自己相関の高い地域を植生分布の空間的な連続性の高い地域と定義し、各々の計算範囲での出力結果を重ね合わせることによって、植生高集積度地域の空間スケールを表す新たな画像を提案している。