本研究では、高空間分解能の衛星データによる広域植生モニタリングの周期性の安定化を目的に、高頻度観測のMODISデータから、本来は観測されていない時期におけるASTER-NDVI画像を推定する手法について検討した。本手法はMODISの1画素とそれに内在するASTERの画素の関連性に着目し、土地被覆構成比率を指標とした統計的手法を用いて2時期のMODIS-NDVI変化量をASTERレベルに高空間分解能化する点に特長がある。対象領域とデータの観測期間を限定した中で、本手法により推定したNDVI画像と実測されたNDVI画像を比較した結果、土地被覆構成要素をNDVI変化量の推定に利用する本手法の妥当性が示された。一方で、本手法を広域および多時期へ応用するためには、土地被覆カテゴリの代表性と土地被覆の時系列変化を考慮したカテゴリの細分化に課題が残された。