抄録
公園内の生物資源を保護し利活用するためには、画一的な管理では不十分で、立地条件に基づいたきめ細かな管理が必要となる。本研究では国営昭和記念公園で保護の対象となっている野生のネジバナが自生する、管理手法の異なる草地で植生調査を行い、管理が草本群落の構造に及ぼす影響を明らかにした。次に景観上から有用植物とされるネジバナの生活史を調査し、ネジバナの栄養成長期にみられる周辺植生が、光を透過しやすいイネ科雑草であること、また草刈り後の刈草を除去することがネジバナを生育域内で保全する上で重要であることを指摘した。