将来の森林の炭素固定能を評価するうえで、樹種ごとに高CO2濃度下のCO2吸収能を把握することは必要である。本研究では、温帯樹のガス交換能を評価するため、20樹種についてCO2濃度350および700 μmol mol-1における個葉の純光合成速度および蒸散速度を調べた。さらに、2段階のCO2濃度下で得た値を用い、クラスター分析によるグループ化を行った。全樹種についてCO2上昇に対して純光合成速度は増し、その変化率は1.1~2.2となり、CO2上昇の影響度が異なる樹種が存在した。また、クラスター分析の結果から、CO2上昇の影響度が類似する樹種をグループにまとめ、植林樹種の選定指針を得ることができた。